平成20年度 研究報告

目次

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県単独研究

外部資金研究

受託研究

支援事業

研究テーマの詳細

県単独研究

低温焼成リサイクル磁器の開発(新規・県単)/H18-20(堤・寺﨑)

三県共同研究(九州知事会推進事業)

天草低火度陶石を活用した低温焼成リサイクル陶土の開発を試みた。鋳込み用陶土は陶土の製造工程で廃棄されるケイを活用した低温焼成用陶土を開発した。細工用陶土については手ろくろ成形が可能で、1200℃焼成に適した撰上陶土レベルの陶土を開発した。これらの開発した陶土によって作製した磁器は、従来の有田焼の磁器と比較して遜色ないものであった。三県共同の成果発表会や製陶所による試作を通じて、普及へ向けた動きも始めている。
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圧力鋳込成形における歪防止技術の開発/H18-20(蒲地・吉田)

本研究では圧力鋳込成形における歪の発生防止技術の確立を目的とする。最終年度である本年度は昨年度までに基礎試験を行った新しい鋳込型を従来の圧力鋳込では成形困難な形状の成形に適用した。結果、良好な成形体を得ることができ、焼成後の”ひけ”やウェルドライン等の発生を抑えることができた。
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ナノ粒子複合化による新規顔料の開発/H18-20(白石)

本研究では、酸化金属のナノ粒子をコーティングする等の複合化技術を用い、安全性が高くかつ、発色が強い新規無機顔料開発の検討を行い、これを用いて陶磁器用絵具を開発する事を目的とした。本年度は、ナノサイズのFe2O3微粒子とナノサイズのシリカ微粒子を複合化することによって、1300℃の焼成でも黒色に変化しない鉄赤系顔料の開発を行った。
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新分野新製品の開発-①ノベルティ製品/H18-20(川久保・藤)

今回、有田・マイセン姉妹都市30周年記念事業の有田雛のやきものまつりに出展協力のため、雛人形の製作を行い、有田町おこし支援を行った。また、癒しをテーマにノベルティ研究会と共同でオルゴールの製作を行い、求評活動が行われた。
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新分野新製品の開発-②エクステリア製品/H18-20(藤・関戸)

新分野としてエクステリアの市場を模索する中、本年度は、昨年に引き続き門まわりに必要とされるエクステリア製品アイテムの拡充を図った。また、製品化においては、企業より鋳込み成形時における「へこみ(ひけ)」や文字彫刻、穴あけ加工の精度面において、解決すべき課題が多かったことから、財団法人九州産業技術センターによる「九州地域産業イノベーション創出事業」を活用し問題解決を行った。
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新分野新製品の開発-③インテリア関連製品の開発/H18-20(佐藤)

産地製品及び企業の多様化に資することを目的として、新たな異分野製品の開発をデザイン面から行った。本年度は、関連する資材・技術についての調査・検討、デザイン開発及び試作を行い、トレイを制作している。
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食器製品の開発/H18-20(藤・副島・関戸)

環境に配慮した新しいライフスタイルに合わせ、ポット&カップのセットを試作開発した。コンセプトに合わせ、生産性への配慮から注口とハンドルを一体成型とし、当センターで開発した低温焼成土を使用した。
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陶磁器の焼成変形予測と修正技術に関する研究/H18-20(副島)

CCAD/CAM技術とCAE技術を組み合わせることで、焼成変形を予測した型制作の高度化と製作ロス軽減、商品開発時間の短縮、更なる高精度化を図ることを目的としている。本年度は、焼成変形の方向と変形量を、より正確に予測するための研究を行った。また得られた研究成果を基にして商品開発に応用し、有用性を実証した。
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ガス選択性を有する小型高感度ガスセンサの開発/H18-21(川原)

ガスセンサ特性向上の手段として感ガス体層の上下を電極で挟むセンサ素子構造を提案し、その積層膜の製造方法について検討した。センサ材料の厚膜上に電極を積層印刷する場合、軟弱多孔質層が印刷基板となるため通常の印刷とは異なる製造条件が必要となる。今回の研究では電極の積層印刷法としてスクリーン印刷と転写印刷を試み、各印刷条件やペースト調製の違いによる製膜状態の基礎的変化を検討した。
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ファイン部材の押出成形技術に関する研究/H19-21(古田)

アルミナ粉末を原料とし、調合条件の違いによる坏土の流動特性、成形性の変化を評価した。同一の配合割合でも成形助剤の種類により坏土の流動特性は大きく異なった。種類によっては良好な成形特性を得るための成形助剤や水分量が多くなるケースもあったが、成形助剤の一部をより接着力の強いバインダーに置き換えたり潤滑剤を添加することによって、成形助剤及び水分量を低減することが可能であり、粒子同士の結合力不足による成形体のひび割れや、潤滑性の不足による成形体表面のささくれを防止することができた。
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外部資金研究

有田焼の発色メカニズムの解明と新規発色性陶磁器の開発/H19-23(白石・吉田・寺﨑・勝木)

(放射線利用・原子力基盤技術試験研究推進交付金)

陶磁器の発色技術(釉薬や下絵具、上絵具の発色等)は主に経験を基に確立されてきたが、その発色機構を科学的に検証された例は少ない。本研究ではシンクロトロン光分析を利用して陶磁器の発色メカニズムの解明を目的として行なった。本年度は、青色から緑色まで変化する青磁釉の発色材である鉄の状態を、シンクロトロン光(XAFS)分析で発色変化と鉄の状態(鉄イオンの状態等)の関連性を調べ、青磁の発色メカニズムの基礎的解明を試みた。その結果、青磁釉の発色変化と釉中の鉄の価数変化には関連性があることを確認したが、鉄の価数変化のみが青磁釉の発色変化を支配していないこともわかった。
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受託研究

環境に対応した抗菌性食器の開発/H20(堤・寺﨑・佐藤)

(地域資源活用型研究開発事業:経済産業省)

佐賀県、長崎県および熊本県の三県の公設試と企業らが連携し、良質の天草陶石の安定供給のため低火度陶石活用と陶磁器新製品の開発による陶磁器産地振興を目的として共同研究を行った。当センターは分担課題として「環境に対応した抗菌性食器の開発」を文八工房と共同で担当した。天草低火度陶石を使った低温焼成素地を用いて抗菌性食器を開発し、試作品を展示会で公開した。
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陶磁器におけるデジタルデザインプロセスの導入に関する研究/H20-21(副島)

(地域イノベーション創出総合支援事業「地域ニーズ即応型」:JST科学技術振興機構)

後継者不足、商品精度向上、商品開発サイクルの短縮など、陶磁器産地の中小企業が抱える技術的課題を早急に克服するためには、コンピュータ技術によるデジタルデザインプロセスの導入が非常に有効である。本年度は、モデリング技法とマニュアル化について基本事項を研究した。新規に導入したモデリングマシンを利用して型製作プロセスの短縮について研究を行った。
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住環境に即した製品開発に係る肉薄製品における意匠創製技術の研究/H20(関戸)

(九州地域戦略産業イノベーション創出事業:財団法人九州産業技術センター)

数値制御による磁器素材の焼結前切削技術が確立すると、陶磁器デザインの多様化と高精度化が可能になることから、透光性素地を活用した陶磁器製品の建築資材としての活路が見出せ、陶磁器産業の活性化を図ることができる。本研究は、これに資する工具および加工機の適応性について検証を行った。
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結晶化法によるリン除去・回収技術の標準活性汚泥処理設備への適用/H18-20(古田・関戸)

陶磁器系材料を利用した低コスト・高効率MAP付着回収用部材の開発と特性評価(先端技術を活用した農林水産省研究高度化事業)

佐賀県内の養豚農家において、豚尿中のリンをMAP(リン酸マグネシウムアンモニウム)として高効率に回収するため、陶磁器系の回収部材を開発し、畜産試験場及び実証農家にてMAP回収試験を行った。星型及びスプロケット型の回収部材を用いた実証試験の結果、実証農家において豚尿汚水中の水溶性リンを85%除去することができた。また回収部材をあらかじめマグネシウム塩の溶液に浸漬することにより、回収物の量を大幅に増加させることができた。回収したMAPの有効利用を図るため、MAPを配合した釉薬を試作し、原料としての利用可能性を評価した。各種発色元素を添加した色釉では、MAP添加の有無により発色が変化し、特にFe2O3を発色剤とした茶系の釉では、MAP配合により茶の発色が安定化する効果がみられた。
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支援事業

陶磁器製雛人形製作に関する研究/H20(藤・川久保)

陶磁器製雛人形の実用化試験を目的に、ノベルティ研究会(しん窯、ヤマトク、畑萬陶苑、辻与製陶所、アートヒルズ)と共同研究を結び商品化に向けた製品開発を行った。
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泉山陶石の利用に関する技術支援/H20(寺﨑・蒲地・白石・川原・釘島) 崩落石の調査と雛人形の製作

有田町に産出する泉山陶石は磁器発祥の原料として知られているが、現在は一部が建材に利用されているだけである。平成17年に磁石場の一部が崩落したが、その保存と崩落石の利用を検討するため窯業原料としての価値を調査した結果、建材などの分野では利用できることがわかった。また、雛人形製作の支援で鋳込み成形における性状評価を行い、泉山陶石単味の陶土による磁器製造に関する知見を得ることができた。
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器と食の伊万里ブランド連携事業支援/H20(川久保・藤)

平成20年度地域資源∞全国展開プロジェクト(小規模事業者新事業全国展開支援事業)に採択された本事業は、伊万里市の地域資源である「伊万里牛」と「伊万里鍋島焼」の2つの資源を活用して、双方に関係する飲食業と陶磁器製造の窯元(14社)とが一緒に協力して、新たな伊万里の特産品を開発する「特産品開発事業」に重点を置いて実施された。
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