平成17年度 研究報告

目次

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陶磁器部技術開発担当

陶磁器部デザイン担当

ファインセラミックス部

研究テーマの詳細

陶磁器部技術開発担当

IH調理器対応型陶磁器製調理器具の開発/H15-17(寺﨑・吉田)

IH加熱器対応型の給食用磁器製保温食器の作製を試みた。その結果、熱衝撃抵抗性などの物性が良好で、しかも、比較的発熱効率が高く、均一に発熱して効率よく加熱保温できるIH加熱器対応型の磁器製保温食器を開発することができた。
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高機能性釉薬の開発(堤)

陶磁器食器の付加価値向上を目的として従来の製造工程を変えることなく陶磁器食器に抗菌性を与えるため銀を用いた釉薬と上絵具を検討した。釉薬については1300℃の酸化焼成品で、上絵具は800℃の酸化焼成品でそれぞれ抗菌性が認められた。
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産業廃棄物の環境低負荷型活用の研究(志波)

陶磁器業界の産業廃棄物である陶磁器製品廃棄物(セルベン)、使用済石こう型などをリサイクルし、かつ環境負荷が少ない水熱処理法で固化体を作製する研究を行った。また技術相談により入手した産業廃棄物も利用した。さまざまな配合の試験体の各特性(調湿性、曲げ強度、かさ密度、細孔分布)を評価して屋内床材や屋内壁材に適用が可能と考えられる配合比を見いだした。
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強化磁器製給食食器の高度化に関する研究(蒲地)

強化磁器の経年劣化を確認するために2種の釉薬を施釉した多数の曲げ強さ試験片を作成した後、焼成から時間を空けて試験を行うことによって強化磁器の時間による劣化の有無について確認した。結果、焼成後6ヶ月まではいずれの試料においても曲げ強さの有意な変化は認められなかった。
また本研究をとおして、新しい強化磁器の開発を行い施釉曲げ強さで300MPaの特性を持つ強化磁器の開発に成功し、企業化へ向けて技術支援を行った。
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陶磁器部デザイン担当

新分野新製品の開発(川久保、藤、関戸)

新分野(食器外)製品の開発として、エクステリア分野のアイテム開拓を目的に、照明の持つ効果と磁器の素材の特徴を活かしたエクステリア製品の開発を行った。また、有田焼人形のブランド確立を目指し、雛人形の開発をおこない、町おこし事業に協力した。
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伝産地・有田からのライフスタイルに即した生活提案型食器の開発(佐藤・藤・川久保)

前年度までに行った製品(デザイン)開発における調査及び考察、加飾デザインの開発と試作について、具体的な一つの方向性の検討を提示することを目的として、デザイン開発及びプロトタイプの製作を行った。また、大有田焼振興協同組合の陶磁器デザイン研究会平成17年度事業「店舗新企画に対する有田焼の新しい提案」に対するデザイン開発及び試作等の支援を行った。
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CAD/CAM技術を利用した型製作の自動化(副島)

本研究は、手作業に頼っている陶磁器量産用の石膏型制作を、コンピュータ制御技術を利用したCAD/CAMシステム(NC切削)による型の自動加工技術に置換しようとするものである。本年度、下記の成果が得られた。

  • NC切削による排泥鋳込み型製作技術について研究した。
  • レリーフ彫刻を持った形状データ製作技術について研究した。
  • 上記形状データに基づき、精密なレリーフ彫刻を持った型製作技術について研究した。
  • 5企業と技術指導契約を締結し、技術指導を行った。成果の一部は実際の商品化に活用された。

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ファインセラミックス部

微構造制御光触媒材料の開発と応用(一ノ瀬)

シリカゲルにペルオキソチタン錯体水溶液を含浸、結晶化し、細孔内部までアナターゼコーティングした光触媒シリカゲルを合成したが光触媒活性は低かった。また、アナターゼ/シリカゲル積層膜を施した光触媒フォームを製造した。この積層膜による窒素酸化物の酸化速度や除去能力は、光触媒単層膜の場合よりも優れていることが判明した。さらに、このフォームを用いた空気浄化装置を試作し、アセトアルデヒドの分解試験によって、その高い実用性を実証した。また、焼成シリカゲルを用いて水中でも割れない水処理用光触媒担体を作成した。
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電気化学的プロセスによる有害物除去システムの開発(勝木)

マイクロ波を吸収する低熱膨張セラミックスフォームに市販のカーボンブラックを付着させ、マイクロ波の吸収性の向上を検討した。0.5wt%担時させた試料に600Wのマイクロ波を50秒間照射することにより、フォームは385℃まで加熱され、180秒以上ではフォームが部分的に赤熱(700℃以上)した。これにより、カーボンブラックは53〜56%除去された。熱伝導率が低いセラミックスをマトリックスとして組織を多孔質化することにより、マイクロ波照射による自己発熱後の熱的特性が制御できることを見出した。
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廃石膏型の再利用技術に関する研究(古田)

市販の再生石膏にα石膏を添加し、気孔特性・強度などの特性評価を行った。また、硬化体作成時に硬化遅延剤、減水剤などの添加剤を加え、硬化時間や硬化体特性の変化を調べた。α石膏5〜20%の添加で、硬化体の気孔特性及び圧縮強度を市販β石膏硬化体に近づけることができた。使用するα石膏は、平均粒径20〜35μm程度のものが作業性に優れていた。α石膏を10%以上配合すると硬化時間が短縮されたが、クエン酸ナトリウム(硬化遅延剤)を0.01〜0.05%添加することで硬化時間を遅延する効果が見られた。リグニンスルホン酸ナトリウム(減水剤)の添加は硬化体強度の向上に寄与したが、硬化時間は逆に短縮される傾向があった。
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コロイド技術による新規発色材の開発(白石・納冨・勝木)

ナノメートルサイズの酸化物の超微粒子は新しい発色材(顔料、カラー印刷用インク)として期待されている。本研究では、様々な金属酸化物等の微粒子を作製し、今までにない発色の顔料開発を目的とした。本年度は、セラミックスに銀のナノサイズ微粒子を分散させた黄色着色材を開発し、これを用いた透明性がある黄色無鉛上絵具の開発を行った。
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機能性薄膜の製膜と評価技術に関する研究(桑田)

中小企業産業技術研究開発(地域中小企業支援型研究開発)

本研究は汚れがつきにくく洗浄が容易な陶磁器製造技術の開発を目的に行っている。本年度は撥水のメカニズムに関する情報収集を行うとともに新しく開発したセラミックス撥水膜の表面を固液界面解析装置により評価した。その結果、撥水の程度を一定の条件のもと接触角などの物性値で客観的に評価できるようになった。この技術の使用希望企業には県と特許実施許諾の手続きを済ませた上で製品化へ向けて指導を行っている。
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