平成18年度 研究報告

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県単独研究

共同研究

調査研究

研究テーマの詳細

県単独研究

圧力鋳込み成形における歪防止技術の開発/H18-20(蒲地・吉田)

本研究では圧力鋳込み成形における歪の発生防止の確立を目的とする。本年度は天草陶土と非天草系陶土の泥漿性状について調査を行った。その結果、非天草系陶土の泥漿はチキソトロピーとダイラタンシーのレオロジー特性を示し、天草陶土に比べ圧力鋳込みが難しいことが明らかとなった。 また泥漿の含水率を制御することにより、全収縮は変化するが、最終的な焼成後の曲げ強さには変化が無いことが明らかとなった。
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低温焼成リサイクル磁器の開発/H18-20(寺﨑・堤)

陶磁器産業の低迷のため天草陶石の採掘状況は厳しく原料の安定供給のために未利用の低火度陶石の活用が求められている。低温焼成リサイクル磁器の原料として低火度陶石を利用し鋳込用、細工用陶土それぞれの配合試験を行い、その特性を検討した。
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ナノ粒子複合化による新規顔料の開発/H18-20(白石)

本研究では、酸化金属等のナノ粒子をコーティングする等の複合化技術を用い、安全性が高くかつ、鮮やかで、発色が強い、新規無機顔料開発の検討を行う。本年度は昨年開発した黄色着色材の構造等を解析した。作製した黄色着色材は、X線回折の結果から、母材である無定型のシリカとAgで構成されている事がわかった。また、TEM観察によってAg微粒子が母材のシリカに分散されている事を確認した。さらに、この黄色着色材を用いて作製した黄色上絵をFE-FEM,TEMで分析したところ上絵ガラス中に、約20nmの銀微粒子が均一に分散されていることがわかった。
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陶磁器の変形予測技術の研究/H18-20(副島)

CAD/CAM技術とCAE技術を組み合わせることで、焼成変形を予測した型制作の高度化と製作ロス軽減、商品開発時間の短縮、更なる高精度化を図ることを目的としている。本年度は、CAD/CAM技術による商品化を通じて、焼成変形に対応したデータ修正作業を研究し、目的とする製品の最終形状を得る手法について成果が得られた。
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新分野新製品の開発―①ノベルティ製品/H18-20(川久保・藤)

ノベルティ産業の継承の必要性を認め、製品開発及び人材育成を目的に、肥前地区独自のノベルティ産業の確立を図ってきた。今回、有田焼人形のブランド確立を目指し、雛人形の五段までの開発を行い、町おこし事業に協力した。
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新分野新製品の開発―②エクステリア製品/H18-20(藤・関戸)

新しい市場としてエクステリア分野に着目し、門札に加え笠木、飾り棚、照明をあしらい磁器製アイテムによる和モダンの機能門柱を提案。成果物については、エクステリア研究会により商品化しその技術支援をおこなった。
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新分野新製品の開発―③インテリア関連製品の開発/H18-20(佐藤)

産地製品及び企業の多様化に資することを目的として、新たな異分野製品の開発をデザイン面から行った。本年度は、インテリア関連の市場環境や動向を調査・検討し、開発品目の選定、デザイン開発と試作作業を行った。
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食器製品の開発/H18-20(藤・川久保)

大有田焼振興協同組合の陶磁器デザイン研究会において、平成15年度より共同で食器の開発を行ってきた。今回有田球形の器をテーマに、企画立案、形状設計等の指導、支援を行った。また17年度製作した襲(かさね)碗にあわせ、皿を開発し研究会に提案した。
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ユニバーサル(次世代)食器に関する研究/H18(納富・吉田)

今後、急速な高齢化していく社会に対応した食器の商品開発は効果的な販路開拓になると考え、誰にでも使いやすい食器を「ユニバーサル」というキーワードのもとに、使用頻度が多いマグカップとプレートのデザインを行い、そのデザインによるマグカップとプレートのユニバーサル(次世代)食器の試作を行った。
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産業廃棄物の環境低負荷型活用研究/H16-18(勝木・志波)

昨年度までの研究では、陶磁器製品の廃棄物粉末(セルベン)、使用済み石膏型粉末などを再利用してエネルギー的に低負荷製造法である水熱処理で多孔質複合固化体を作成し、屋内床材や壁材としての利用の可能性を検討した。本年度は、磁石製造時に排出されるフェライト粉末をセルベンー廃石膏ーCa(OH)2系混合物に添加し、その後100℃で水熱処理して多孔質材料を作成した。多孔質特性の評価を行うとともに、電磁波吸収性を検討した。
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ガス選択性を有する小型高感度ガスセンサの開発/H18-21(川原)

ガスセンサ分野における現在の問題点や今後求められている課題を明確にするために、近年の化学センサに関する研究発表・報告などの情報収集を行い、この分野の研究動向及びその傾向についてまとめてみた。感度特性の向上を目的として、原料は新しい材料の開発と超微粒粉末化の研究が盛んであり、センサ素子やデバイスの更なる小型化、極小化も求められていることが分かった。また被検ガスとしては水素、VOC、NOxなどの研究報告が多く、特に水素センサに関する研究ニーズが高まっていることが分かった。
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機能性薄膜の製膜と評価技術に関する研究―①固液界面解析装置による評価/H17-19(桑田)

本研究は汚れがつきにくく洗浄が容易な陶磁器製造技術の開発を目的に行っている。本年度は撥水のメカニズムに関する情報収集を行うとともに新しく開発したセラミックス撥水膜の表面を固液界面解析装置により評価した。その結果、撥水の程度を一定の条件のもと接触角などの物性値で客観的に評価できるようになった。この技術の使用希望企業には県と特許実施許諾の手続きを済ませた上で製品化へ向けて指導を行っている。
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機能性薄膜の製膜と評価技術に関する研究―②各種釉薬の焼成温度による接触角の変化/H17-19(桑田)

本研究は陶磁器の表面を汚れにくく洗浄が容易にする陶磁器製造技術の開発を目的に行なっている。本年度は新しく開発したコーティングの技術の応用として直接的な釉薬表面の改質で撥水の性質をもった表面に変えることができるかどうかの可能性を探るため基礎的データの収集を行なった。この結果、各種釉薬の焼成温度の違いによる撥水の程度が把握できた。このことにより表面の組成以外に必要な表面状態に関する重要な知見・指針が得られ今後のより低コスト・高耐久性等の性質を持つ陶磁器への撥水性付与技術の開発への可能性が見出せた。
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廃石膏型の再利用技術に関する研究/H16-18(古田)

廃石膏粉砕物について、常温または100℃以下での固化体作製法を検討し、調湿建材等として利用できないか検討を行った。セルベン等を骨材にし、再生石膏とCa(OH)2等と水を混合し、石膏の水和により硬化体を成形した後に水熱処理を行い固化体を試作したところ、90℃の水熱条件下で多孔質の固化体を生成できた。固化体の多くは0.1μm以下にブロードな気孔分布を示しており、高い吸放湿特性を示したが、強度が十分ではなかった。原料スラリーを磁器質基板の上に塗布して水熱処理を行う方法により強度面での改善は可能であったので、屋内用調湿材として利用可能であると期待される。
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共同研究

ペルオキソチタン型光触媒技術の開発に関する研究/H18-20(一ノ瀬・釘島)

(文部科学省科学技術総合研究委託事業)

ペルオキソチタン液のマイクロ波水熱によって、従来水熱法よりも微細なアナタースゾルを合成することに成功した。100℃での従来水熱処理と比較すると、短径は10nmから7nmへ、長径は20~30nmから7~8nmへ微細化され、その光触媒活性は2倍以上の高活性となり、市販の高活性粉体と同等の性能であった。また、アナタースゾル中のペルオキソチタンは光酸化作用によって全体の酸化分解反応を補っていることが判明した。また、ペルオキソチタン液の増粘特性を利用して高活性光触媒粉体の塗料化に成功した。

結晶化法によるリン除去・回収技術の標準活性汚泥処理設備への適用/H18-20(古田・関戸)

(先端技術を活用した農林水産省研究高度化事業)

佐賀県内の養豚農家において、豚尿中のリンをMAP(MgNH4PO4・6H2O)として高効率に回収することを目的とし、異なる材質、表面形状を持った種々の陶磁器系回収部材を試作した。畜産試験場にて小規模でのMAP回収試験を行い性能を評価したところ、いずれの部材を用いた場合でも回収物の組成はほとんどMAPのみで、不純物は極めて少なかった。回収部材の形状、表面粗さ、凹凸の有無等によってMAP回収量に違いが見られ、結果的にはリング状で表面に縦縞状の凹凸を施した部材が、単位重量あたりのMAP付着量が最も大きかった。この結果を踏まえて実証試験用の回収部材の形状を決定し、現在、畜産試験場内の設備で実証試験を行っている。
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調査研究

有田焼磁器の顔料(酸化鉄)のXAFS分析/H18(勝木・白石・吉田)

有田焼に古くから利用されている赤絵具の科学的検証が各研究機関で進められている。当センターでも酸化鉄の粒子サイズ、分散状態と発色状態の相互関係を解明してきた。本研究では、酸化鉄の熱的挙動を放射光によるXAFS分析で検討した。
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