研究テーマ

研究テーマと主な内容

目次

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陶磁器関連

ファインセラミックス関連

陶磁器関連

SDGsに対応した陶磁器の製品化技術の開発/R4~R7

 近年SDGs(持続可能な開発目標)が注目されており、窯業界も環境に配慮した製品作りが求められています。そこで本研究では、過去に当センターで開発した低温焼成陶土に適した新規の釉薬をはじめ、周辺技術の開発を行うことで低温焼成磁器の新たな付加価値を目指します。

次世代転写加飾技術の開発/R4~R7

 上絵具のスクリーン印刷における新たな加飾技法の開発と、スクリーン版を使用しない上絵印刷技術の研究を行います。それによって産地特有の「和絵具」の特徴を活かし、これまでに表現できなかった新たな加飾技法やデザイン性、付加価値を提供することを目的とします。

陶磁器マスキング手法に向けたデジタル3D技術活用研究/R5~R7

 型吹きによる加飾は、手返しの速さから量産品向けに近代多く道いられてきた技法です。従来の型吹きのマスキング素材としては、柔らかく手軽に加工ができる鉛板を使用していますが、素材が現実的ではなくなっているため、3Dプリントを活用し、手軽に使用できる吹型製作手法の確立を目指します。

陶磁器上絵の耐アルカリ性改善/R5~R7

 近年の業務用食器洗浄機の普及に伴いアルカリ洗剤の影響による上絵の退色が問題となっています。そこで上絵具のベースとなるフリットを改良し、耐アルカリ性改善に取り組みます。食器洗浄機利用にも対応した上絵の開発によって、県産磁器の特徴である鮮やかな上絵装飾をより多くの製品に活用することができ、販売促進が期待できます。

パッド印刷に関する研究/R6~R7

 陶磁器用のパッド印刷では、水現像ができる樹脂版の製版処理技術に高い関心が集まっていますが、近年の樹脂版は水溶性のため、適正に露光できていないと凹版としての品質低下を招き、染付などの濃淡の再現幅が狭くなります。光源にUV-LEDを用いることでバラつきの少ない画像再現処理を行い、製版品質の向上を目指します。

水ゴテ成形の高度化に関する研究/R7~R9

 水ゴテ成形は比較的安価な初期投資で少量の生産に対応できるため、多品種少量生産が得意な有田で広く用いられてきましたが、後継者不足が産地で深刻な課題となっています。水ゴテ成形は職人の技能に頼る部分が大きく失われれば再生は困難です。近年、水ゴテ成形の内製化の需要も高まっている一方で、科学的検証が不足しており、定量的な指導が難しいのが現状です。そこで、本研究では統計的手法で水ゴテ成形因子の影響を数値化し、技能の技術化と持続可能な県産陶磁器体制の構築を目指します。

特殊形状製品の設計・型製作技術の開発/R7~R9

 本研究では、これまでのデジタル技術の蓄積を活かし、これまで製造に課題があった「ネジ構造を伴う形状」や、職人の減少により製造が困難となっている急須の茶漉し部分に使用される「メッシュ状生地」の製造技術の開発を行います。産地内の生産体制に合わせた新たな製造技術を開発することにより、磁器の素材を活かした新たなニーズ開発や磁器製品の付加価値向上を目指します。

各種陶土に適した石こう型に関する研究/R7~R9

 鋳込み成形は陶磁器製造で欠かせない成形方法であり、一般的な天草陶土だけでなく強化磁器用陶土や多孔質陶土など、様々な種類が用いられるようになってきました。この方法は泥しょうの調製条件が重要ですが、石こう型の物性による影響も大きいです。本研究では石こうの各物性による影響を評価しながら各種陶土に合う条件の検討を行い鋳込み成形の効率化を目指します。

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ファインセラミックス関連

酸化物系全固体電池の成形・焼結技術に関する研究/R6~R8

 モビリティ用電源、IoT用電源、自然エネルギーの貯蔵用として、高耐久・高性能・広温度域で利用可能な次世代二次電池の開発が求められています。本研究では、九州大学と共同で、次世代二次電池として期待されている酸化物系全固体電池の材料開発、実用化を見据えた製造プロセス技術の開発を目指します。

酸化物系全固体電池材料合成における化学組成の分析に関する研究/R7~R9

 近年、安全で高性能な酸化物系全固体電池が注目され研究開発を現在九州大学と共同で行っています。この研究では電解質材料等の合成において原料仕込量から合成後組成が狙いどおりに反映されているか、詳細には確認されていません。特に潮解性・揮発性のある原料を使用しているため組成変化を調べることは重要です。本研究では酸化物系全固体電池材料の化学組成を精度よい分析技術およびデータを収集して現研究や企業支援に役立てます。

環境材料としての多孔質セラミックスの特性制御に関する研究/R7~R8

 多孔質セラミックスは構造中に多くの気孔を有し、近年、地球温暖化等による気温上昇が問題となっている中、環境負荷が極めて小さい自律的な冷却機能をもつ材料にもなり得る材料です。本研究では、多孔質セラミックスの基礎物性である気孔特性と、吸水性、揚水性、吸放湿特性など蒸散冷却に影響する特性との関係を明らかにし、環境材料としての開発指針となるデータベースを構築することを目指します。

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