研究報告

平成15年度 研究報告

陶磁器部技術開発室

IH調理器対応型陶磁器製調理器具の開発(吉田・寺崎)
IH調理器対応型陶磁器製調理器具用素地をコーディエライト質素地とペタライト質素地により調製を試みた。その結果、コーディエライト質では、温度差350℃の熱衝撃試験に耐える素地を調製することができなかった。しかし、ペタライト質素地は、最高で温度差550℃の熱衝撃試験に耐えるものを開発することができた。また、温度差350℃の熱衝撃試験に耐えるペタライト質素地用の釉薬も開発することができた。
一方、市販の銀製発熱膜の耐貫入試験、食器洗浄抵抗性、熱衝撃試験および発熱試験などの物性評価を行った結果、実用可能であることが明らかとなった。
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陶磁器廃棄物を利用した食器等の開発(堤)
平成14年度に開発した「エコポーセリン50」用陶土の量産試験を陶土業者への技術指導として行った。この陶土を使って窯元が試作品を製作しテーブルウェアフェスティバル2004で展示発表した。また「エコポーセリン」では利用できなかった有色の窯業廃棄物を使ってリサイクル陶土を開発した。
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産業廃棄物を活用したリサイクル製品の開発(志波)
有田焼製造工程から発生する窯業廃棄物(太白屑、ハマ、素焼屑)を21wt%使用した強化磁器用陶土を開発し、それをスケールアップ調製して製品試作、圧力鋳込成形に対応するため配合組成変更した陶土の調製を行い、現行強化陶土と特性の比較検討を行った。碗状の製品試作では衝撃強さが、一般磁器より2倍以上高い強度を得えられた。スケールアップ調製したこの2種類の素地とも、施釉体では3点曲げ強度200MPaを達成することができた。
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一般磁器の耐熱性向上に関する研究(蒲地)
一般的な磁器と同様の焼成で製造でき高い耐熱衝撃性を持つ磁器陶土の開発に成功した。開発した陶土は焼成温度幅が1230℃~1350℃と非常に広く、そのいずれの温度範囲でも良い耐熱性を示した。また電子レンジによる加熱試験においても一般磁器よりも加熱されにくい特性を持ちより安全性の高いものとなっている。適切な釉薬を用いることにより電子レンジ対応型食器として十分な性能を持つ食器の製造が可能である。
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強化磁器製給食食器の高度化に関する研究(蒲地)
強化磁器陶土の開発を行った結果、通常の磁器と同じ1300℃の焼成で230MPaを超える曲げ強さを持つ強化磁器陶土の開発に成功した。また釉薬も同時に開発した。これらの陶土釉薬を用いて製品を作り衝撃強さ試験を行い衝撃強さの測定結果の分布や試料数と精度の関係などを調査した。その結果、製品の衝撃強さの測定値は正規分布することが明らかになった。また試料数は10個以上が適切であることが明らかとなった。
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陶磁器部デザイン室

伝産地・有田からのライフスタイルに即した生活提案型食器の開発(佐藤・藤・川久保)
製品(デザイン)開発の方向性を検討する際の基礎資料とすることを目的に市場環境や生活様式についての各種資料の収集・調査及び考察を行った。また、方向性の検討と形状デザインの試作を行った。
また、大有田焼振興協同組合 陶磁器デザイン開発研究会の平成15年度事業「店舗新企画に対する有田焼の新しい提案」に対するデザイン開発及び試作等の支援を行った。
新分野新製品の開発(藤・江口・川久保)
エコロジー(自然回帰)等の影響で、ガーデニングがブームであり、平成11年度よりガーデニング市場に向けた製品開発を行ってきた。本年度は、「蘭」に特化した製品開発を行った。
また、有田・伊万里焼人形製品の確立を目指し、からくりオルゴール時計キャラクター人形を基に四季・12ヶ月をテーマにした人形製品開発を行った。
CAD/CAM技術を利用した型製作の自動化(副島)
NC切削用モデリングマシンを導入し、陶磁器の量産において最も重要なケース型を、NC切削により製作することに成功した。この技術を利用して、実際の製品試作を行った。
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ファインセラミックス部

電気化学的プロセスによる有害物除去システムの開発(勝木・川原)
本研究では環境有害物である悪臭ガスやNOx、ススなどを電気化学的に迅速に分解・除去する方法を基礎的に検討することを目的とする。今年度はマイクロ波を吸収して自己発熱する酸化鉄系複合粉末をウレタンフォームに付着後、焼成してセラミックスフォームを作成した。家庭用電子レンジ内で80、200、600Wのマイクロ波を照射して発熱特性を検討した。またこのフォーム上にディーゼルエンジン排気ガスを付着させ、マイクロ波を照射して加熱効果を調べた。
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微構造制御光触媒材料の開発と応用(一ノ瀬)
これまで開発してきたペルオキソチタン系コーティング剤の基本的な反応過程をまとめた。また、蛍光灯下でのペルオキソ改質アナターゼゾルの光触媒活性を測定した。また、従来のペルオキソ改質アナターゼゾルの可視光活性を定性的に確認するために短波長カットフィルターを通した蛍光灯の光で色素の分解試験を行った。
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水酸アパタイトの応用化研究(古田)
数種類の土壌サンプルに鉛、カドミウムを添加して擬似的に汚染した土壌を調製し、廃石膏から合成した水酸アパタイト粉末を添加することによる重金属の固定化試験を行った。pH3.50~7.30の溶出試験液を用いて調べた結果、水酸アパタイトの添加により擬似汚染土からの重金属イオンの溶出量が抑えられることが確認された。化学量論組成の市販水酸アパタイトと比較すると、廃石膏から合成した非化学量論組成の水酸アパタイトの方が高い効果を示し、重金属イオンの溶出量は溶出試験液のpHと水酸アパタイトのCa/P比に依存した。また、50ppbの鉛イオンを含む水溶液を用いて水酸アパタイトによる鉛イオンの除去試験を行ったところ、粉末状水酸アパタイトの場合、鉛イオン濃度を1ppb以下まで低下させることができた。
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コーティングによるセラミックスの表面改質(桑田)
陶磁器の付加価値を高める技術としてコーティングによるセラミックスの表面改質を行う際、必要となる表面の分析について検討を行った。また、フッ素樹脂等の撥水剤を用いない通常陶磁器製品に含有している元素のみの組成の撥水の性質を持ったコーティング膜の作成条件等についても検討を行った。
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コロイド技術による新規発色材の開発(白石・納冨・勝木)
ナノメートルサイズの酸化物の超微粒子は新しい発色材(顔料、カラー印刷用インク)として期待されている。本研究では、様々な金属酸化物等の微粒子を作製し、今までにない発色の顔料開発を目的とした。本年度は鉄、銅、マンガン、コバルトの各種酸化物微粒子を水熱合成により合成し、各微粒子の特性評価を行った。
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