研究報告

平成13年度 研究報告

陶磁器部技術開発室

易熔化性磁器の開発研究(寺崎)
天草低火度陶石を配合した陶土により1200℃でも磁器化する熔化しやすい磁器を開発している。圧力鋳込成形では成形体のキレ、泥漿のタレなどの欠点は認められず問題ない。ガス炉による本焼焼成では、1130℃でも磁器化しており、焼成温度の更なる低温化が図れている。焼成体は通常の磁器物性を有しており、燃料の削減も、35%の省エネルギ?が達成できる。
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釉薬及び釉薬表面の改質によるメタルマーク抵抗性の改善に関する研究(吉田)
有田焼で使用されている釉薬は、アルカリ成分(R2O)の総量が4wt%から7wt%程度、珪酸成分(SiO2)の総量が70wt%前後で調製されているものが一般的である。しかし、R2O成分を1wt%から2wt%程度に抑え、SiO2成分を60wt%前後まで含有量を減少させて釉薬を調製すると、メタルマーク抵抗性が大きく改善することが明らかとなった。また、有田焼で使用されている一般的な釉薬に、釉薬の表面の平滑化を目的としてアルカリ化合物などの融剤を吹き掛けて表面の改質を試みたが、メタルマーク抵抗性の大きな改善は得られないことが明らかとなった。
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産業廃棄物を活用したリサイクル製品の開発(志波・堤・蒲地・吉田・寺崎)
有田焼の製造工程から発生する太白屑、ハマ、素焼屑を合計21wt%使用していわゆるリサイクル磁器素地を開発した。ひとつは配合陶土で焼き腰が現行天草撰中より約40%強く、耐熱性は試験温度差180℃熱衝撃試験を合格できた。二つめは天草陶石使用陶土で焼き腰が現行品よりわずかに強く、耐熱性は試験温度差150℃熱衝撃試験を合格できる前者より低い物性であったが上絵加飾が可能な熱膨張係数7.1×10-6/K(30℃~700℃)の素地が得られた。前者の陶土をスケールアップ調製し、製品試作、展示会で発表した。
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ムライト質硬質磁器用陶土製品化技術の研究(蒲地)
昨年度、硬質磁器用として提案した低熱膨張の石灰釉性状の改良を試みた。施釉対象となる陶土の700℃における平均線熱膨張係数が6.5~5.5(×10-6/K)であることから平均線熱膨張係数が5(×10-6/K)前後の釉薬を中心に組成や粒度を変化させて種々の検討を加えた。結果、釉組成の違いによる粒度と熱膨張の関係の変化や、釉組成が焼成体の色に及ぼす影響、さらに原料による施釉時の作業性、静置時の安定性等の改善について知見を得ることができた。
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陶磁器部デザイン室

洋風食器の開発(藤・川久保)
現在、エコロジー等(自然回帰)の影響で、ガーデニングがブームであり、そのブームが洋から和へと移行し、肥前地区の素材、技術が参入する絶好の機会である。そこで、個人住宅向けにガーデニング・グッズの開発を行った。また、からくり人形、からくり時計製品の開発においての技術を用い、より汎用性のある動く有田焼人形等の開発に取り組んだ。
エクステリア研究会,大有田焼振興協同組合(集積ワーキング・グループ、デザイン研究会ノベルティ分科会)を通し、試作品の商品化及び企業独自の製品に対し、製造、デザイン等の支援を行い、展示会への出展等により販促活動を行った。
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新分野新製品開発(川久保・藤・江口・佐藤)
現在、肥前地区の陶磁器産業は、低迷の一途をたどっている。主な製品は業務用和食器であるため、近年のリゾート関係・外食産業の不況のあおりを受けていることが大きな原因の一つだが、景気回復以前に、日本人の住空間、家族構成、食生活等の変化により、洋風食器(多用途)の使用頻度が高まり、それに対応した新しい生活スタイルに合った、洋風食器(多用途)の開発を目的とした。
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CAD/CAMシステムを利用した陶磁器製品開発(副島)
陶磁器製品開発プロセスの革新を図るため、複数の事例において、デザインからプロトタイプ制作・原型制作等をCAD/CAMシステムを利用して行った。また、講習会等を通じて、業界への技術移転・普及を図っている。
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加飾技法の研究(関戸)
セラッミックスにおけるカラーマネージメントは、焼成することなく事前に焼成後のイメージを確認することができる。一般の印刷で表現される色彩ほど再現領域が広いわけではないが、二次色で補うことでその再現領域は広がりをみせる。2か年に渡り、その特性について検証を行ってきたが、従来のスクリーニングでは、階調の豊かさに限界があった。本年度は、これまでの印刷方法に加え網点の生成方法を見直すことで、より豊かな表現を確立する。

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ファインセラミックス部

NOx分解用のセラミックス触媒担体の開発(勝木)
本研究ではNOx除去用のセラミックス触媒担体、黒鉛微粒子を補足除去する多孔質材料を開発することを目的とするが、本年度は市販多孔質コージェライトハニカムの特性の評価とムライト―シリカ系鉱物を原料とした多孔質材料の合成方法を検討した。
酸化物超微粒子の簡易プロセスによる合成(勝木)
単結晶化したナノサイズのセラミックス微粒子は新しい電子材料粉末、触媒、顔料等として期待されている。ミクロンオーダーの遷移金属の酸化物微粒子は水熱反応で合成できるが、本研究では合成時にマイクロ波を照射してナノサイズ化した酸化鉄粒子を短時間に生成する方法と粉末の特性を検討した。
酸化チタンコーティング剤の改良と環境浄化への応用(一ノ瀬)
ペルオキソチタン系コーティング剤中の不純物濃度がある一定以上になると、加熱や長期常温放置しても結晶化しないことが判明し、保存状態によらず長期間安定なペルオキソチタン系コーティング剤を合成することに成功した。また、ペルオキソチタン系コーティング剤とTiO2粉体の複合化を図り、光触媒活性が高い1~数μmの膜を得ることに成功した。また、この複合膜を用いた簡易な空気清浄機を試作し、VOCガス分解性能の実用性を示した。また、陶磁器白釉上へ微細スプレーコーティングを行い、干渉色の影響がほとんどなく光触媒活性に優れた膜を形成する条件を明らかにした。
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転写印刷法による集積型センサの製造技術に関する研究
(平成13年度 地域ものづくり対策事業 中小企業技術開発産学官連携促進事業)(一ノ瀬)
NOxセンサのガス感度特性の向上を目指し、センサ材料の選択、積層構造の検討および素子基板上でのヒーターの設計を行った。センサ材料はガス感度や応答速度などの総合評価としてZnO系を選択し、厚膜の構造としてはZnO膜の上層にZnO-WO3の膜を積層したヘテロ積層型センサ(ZnO-WO3/ZnO)が良好であることを見出した。作製したセンサは81ppmのNO2ガスに対して300℃の雰囲気下で39.9の高感度を示し、またNOxと比較してCOガスに対する応答感度が小さく、10~800ppmの範囲で良好なNOx測定が可能であることを確認した。センサの作動雰囲気を制御する集積型センサ用ヒーターについては材料を白金(Pt)とした蛇行型パターンを採用することで基板上での温度分布が均一で436℃まで昇温可能な良好なヒーターを作製することができた。
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石膏廃材を利用した新規多孔質素材の開発(古田)
石膏廃材の粉砕物とリン酸水素二アンモニウムを原料に用いて水酸アパタイト粉末を合成した。生成する水酸アパタイトのCa/P比は、原料中に含まれるCa/P比を変化させることである程度コントロールできた。Ca/P比の異なるいくつかの水酸アパタイト粉末を用いてPb2+イオンおよびCd2+イオンの除去試験を行った。いずれのサンプルを用いた場合でも5?30分でPb2+イオン濃度を200ppmから0.1ppm付近まで低下させることができ、実用上Ca/P比の違いによる差はないと認められた。Cd2+イオンに対しては約20?30%の除去率にとどまった。さらにPb2+イオンとCd2+イオンとが共存する系では、Pb2+イオンがほぼ100%除去されたのに対し、Cd2+イオンは約20%しか除去されなかった。
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コーティング技術を応用したセラミックス表面の高機能化(桑田)
本研究では、昨年まで陶磁器製品の加飾として用いられる貫入内の汚れ防止、陶磁器の食器洗浄器への適応性の向上2)、メタルマーク付着防止コーティング膜作成時のコストの削減等について報告してきた。しかしながら、そのコーティング膜の表面状態とメタルマーク付着状態については不明であった。そこで、本年度は、コーティング膜およびメタルマークが付着した表面状態を原子間力顕微鏡で観察し、それらの表面状態を明らかにした。
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