目次
陶磁器部技術開発室 陶磁器部デザイン室 ファインセラミックス部
陶磁器産業における二酸化炭素排出量削減技術に取り組んでいます.本研究では1200℃でも熔化する陶土を開発し,さらに,素地に適する釉薬,絵具,プロセス技術等の開発に取り組みます.12年度に素地の開発に取り組み,13年度は素地に適合する釉の開発をすすめており,14年度は絵付け試験を行います.特に,耐酸性や食器洗浄抵抗性の試験を行い,食器としての安全性を評価します.
釉薬及び釉薬表面の改質によるメタルマーク抵抗性の改善に関する研究/H12〜14(吉田)
平成12年度及び13年度の研究により,釉薬のメタルメーク抵抗性を改善できる釉組成の範囲が明らかとなりました.そこで,平成14年度は,熱膨張などの物性において,いろいろな陶土に対応し,上絵などの加飾が通常どおり可能な釉薬の開発を行います.また,開発した釉薬の製造技術(使用原料の選定,粉砕時間の決定,使用濃度の決定)に関する研究を行います.
昨年度に「産業廃棄物を活用したリサイクル製品の開発」の中で陶磁器の製造工程からの廃棄物を利用した白磁器の再生を行いました.ここで原料として用いた廃棄物は染付のない素焼屑やハマセルベンといった不純物の少ないものであり,廃棄物の大半を占める染付や上絵や釉薬を含むものは色や耐火度などの物性に悪影響を与えるため未利用のままです.そこでこれら未利用廃棄物を利用した再生原料の物性改善の研究を行います.
産業廃棄物を活用したリサイクル製品の開発/H13〜H15(志波)
本研究は陶磁器廃棄物を減量化するためリサイクル製品の研究を行います.昨年度は有田焼製造工程で発生する廃棄物を使用して,磁器用陶土を開発しました.この陶土をもとに組合主体の事業で陶土業,窯元等と協力してリサイクル製品(食器)を開発しました.これら開発食器素地は目標として従来品より高機能性を目指しています.本年度は機能性向上および安定化の研究を行います.またリサイクル食器の商品展開のため陶土業,窯元の技術支援を行います.
電子レンジやオーブンの普及により耐熱性が現在の食器には必要になっています.陶磁器は高い温度で焼成されるため熱には強いというイメージがありますが,意外と熱衝撃には弱いものです.そこで安心して電子レンジやオーブンに使用できる陶磁器の開発を行います.初年度である今年は種々の陶磁器を対象にフリーザー・トゥ・オーブン試験などの耐熱性の調査を実施します.
日本人の住空間,家族構成,食生活等の変化により,洋食器の使用頻度が高まったのに対し,和食器の使用頻度が減少し,需要が漸減しているのが現状です.肥前地区製品は「伊万里・有田焼」に代表される高いブランドイメージを誇っており,このイメージを支えてきた技術・デザインを活用することで,高い競争力を持った新商品開発が可能であると考えられます.新しい時代の生活感に合った,洋風食器を開発することを目的とします.
今日の都市圏での住宅事情では,持ち家若しくは一戸建て住宅よりは,集合住宅(アパート,マンション)での住居者が70%と多く,また,有田焼のコスト面,材質感からみても,中屋外(玄関,ベランダ,バルコニー)から屋内に向かったインナーガーデン製品の開発を行います.
CAD/CAMシステムを利用した陶磁器製品開発/H3〜14(副島)
コンピュータ・グラフィックスを利用した陶磁器デザイン技術と,CAD/CAMシステムを利用した陶磁器原型製作技術を融合させ,陶磁既製品の試作開発を行います.また,講習会等を通じて,業界への技術移転・普及を図ります.
現在の食生活環境に対応した製品開発(システムキッチン・キッチン家電をテーマにした日常食器製品のデザイン開発)/H14〜16(佐藤)
現在の食生活環境の変化とニーズに対応した新しいキッチン設備・家電機器類が登場し,普及拡大しつつあります。そこで,システムキッチンをはじめとする機器及び家電類への対応をより考慮した日常食器のデザイン開発を行います.
各種内燃機関から排出されるNOxやカーボン微粒子を分解−除去できる低熱膨張性で耐熱性がある多孔質セラミックス材料や触媒担体を開発します.本研究では天然鉱物から合成されるムライトや水熱合成で得られるムライト,水酸化アルミナ繊維,コージェライトを用いてハニカムなどの多孔質モノリシスを作成し,多孔質特性,熱機械的特性,触媒特性を検討します.
酸化チタンコーティング剤の改良と環境浄化への応用/H11〜14(一ノ瀬)
光触媒(二酸化チタン)に日光や蛍光灯の光が照射されると,抗菌作用,室内脱臭,建物壁などの防汚,NOxやダイオキシンなどの有害物質の分解などが起こります.当センターでは,塗っただけでそのような機能が発揮できる酸化チタンコーティング剤を開発製品化しました.この研究では,酸化チタンコーティング剤の性能をさらに向上させ,環境浄化作用の実証試験を行います.また,酸化チタンコーティング剤メーカーや二次製品開発企業への技術支援を行います.
転写印刷による集積型センサの製造技術に関する研究(中小企業技術開発産学官連携促進事業)/H12〜14(川原)
本事業では「環境セラミックスセンサの低コスト製造技術の開発」を全体テーマとして,大阪市,三重県,佐賀県の3公設機関を中心とした広域的な産学官の共同研究を行います.当センターでは,環境汚染ガスの一つであるNOxガスのモニタリングを目的とした半導体ガスセンサを転写印刷により作製し,3機関共同でNOxセンサ,COセンサ,温度センサを共有するハイブリッドセンサの開発を行います.本年度はセンサの試作品を完成させ,本事業で開発した技術の普及に取り組みます.
県内窯業界で排出されている使用済みの石膏型廃材を原料として,有機物吸着能や有害金属イオン除去能,ハロゲンイオン除去能などさまざまな化学的特性をもつハイドロキシアパタイトを開発しています.本年度は,組織や形状,化学組成などアパタイトの特性を制御すると共に,合成したハイドロキシアパタイトのもつ特異的な機能を利用して,環境や農業分野などへの活用を図ります.さらに,合成規模のスケールアップに伴う問題点の検討と合成法の改良を行います.
コーティングによるセラミックスの表面改質/H14〜16(桑田)
平成14年度はメタルマーク防止などの機能付加による商品の高付加価値化を可能にするコーティング膜の開発を進めます.具体的には,業務用自動食器洗浄機への適応性をアップした高耐久化等に取り組みます.地元中小企業が商品化しやすいようコーティング技術のコストダウン、作業工程の簡便化、各種法令等への適応も検討し,さらなる技術普及・技術支援を行います.
酸化鉄,酸化コバルト,酸化銅,酸化マンガンなどの遷移金属の酸化物粉末は古くから陶磁器の顔料として利用されていますが,サブミクロンの微粒子は磁気材料,抵抗材料,誘電材料,触媒等として広範囲に利用されています.粒子サイズが0.1μm以下の超微粒子になると焼結温度の低下,電気,電子や触媒特性の向上が期待されます.またサイズが均一で分散性が良好な超微粒子が合成出来れば顔料の色彩が変化することも期待されます.本研究ではナノサイズの各種酸化物粒子を各種水熱合成で作成し,特性評価を検討します.